“人間や自然への共感と理解の大切さ”をいっそう教えられた1年でした |愛知県岡崎市㈱CGS
【写真は、本文とは関係有りませんが、愛知県内の仕事の中で、ご依頼が多い地域のひとつ、刈谷市の駅前風景です。花の造形は見事ですね。職人さん、制作会社のセンスが光ります。】
~今年も有り難うございました~
『俺のものをどうするだ!警察を呼ぶぞ!』
実の娘さんが、溜まりに溜まったお父様の身の回りの品をなんとか整理しようと、私達にご依頼頂き、伺った時のことでした。
長い日常の中で親子が必要以上の会話をする訳は有りません。たまたま娘さんからご依頼を受けて伺った事は、お父様にとっては非日常です。高齢も手伝い、興奮は当然のことかと思いました。
私達は、娘さんにお願いし、1ヶ月程をかけて、定期的に家に伺い、簡単な庭の手入れや修繕のお手伝いをさせて頂きました。
そうした中で、お会いするお父様に普段の日常の会話を試みました。
お父様は、日曜大工とさつきの盆栽が趣味だと分かりました。今は、手入れも出来ず、ぼうぼうになった状態で、庭のあちこちに無造作に転がっていました。
私は、それを指差し、お父様に尋ねます。お父様は微かな笑みを浮かべ、たどたどしくではありますが専門的な言葉を交えて語りかけてくれます。
お父様とのそんな接触の中で1ヶ月ほどが経過して、娘さんが、
「お父さん、部屋をこちらの業者さんに片付けてもらうだよ。」
と言うと、静かにうなずきました。
「ラポール(rapport:心理学用語)を築いて」とまでは言いませんが、いきなり知らぬ人が目の前に現れたのでは、誰だって頑なになります。
家族というと、慣れてくると互いが空気のような存在となるのか、以心伝心で良いと思うのか、無愛想になります。
いつも変わらぬ優しい眼差しで温かい言葉をかけましょう。
50年連れ添った夫婦でも同じ、プロポーズした時の気持ちに返り、温かい言葉をかけあいましょう。
理解と共感と。古今東西、大切なことです。
こんなことを強く思ったこの1年でした。
また、来年も宜しくお願い致します。
………………………常務取締役 河合博昭